SF

壮大なSF作品『CASSHERN』

2004年に公開された邦画『CASSHERN』は、紀里谷和明監督によるSF映画です。1973年に放送されたタツノコプロ制作の人気テレビアニメ『新造人間キャシャーン』を原作としていますが、物語は大幅に改変されています。舞台はアメリカが存在しない架空の世界、長い戦争により人々の心は荒廃しきっていました。大東亜連邦共和国の遺伝子工学の権威・東博士は、人体のスペアパーツとなる新理論「新造細胞」の開発にいそしんでいましたが、その息子の鉄也は父に反発して軍隊に志願し戦死してしまいます。ある日、異変が起こり研究室の新造細胞が結合、新造人間のブライたちが誕生しました。彼らは放浪の末に大量のロボット兵器を手に入れ、復讐のため人間に向けて宣戦布告します。一方、東博士も鉄也を新造人間として蘇生させ、守り神「キャシャーン」の名を名乗った鉄也はブライたちと対決することになります。もともとCMやプロモーションビデオなどで映像作家として評価されてきた紀里谷監督は、本作でもCGやマット画を多用し、邦画ではあまり見られない壮大な世界観を描写しました。その反面、原作アニメにあった痛快なヒーローものの要素は抑えられ、全編ペシミズムに覆われたシリアスなドラマが展開していくのが特徴です。ラストシーンも、登場人物たちが悲劇的な最後をとげる救いのないものとなっています。原作アニメファンを中心に否定的な評価もありましたが、興行収入は15億円を超えており、興行的には一定の成功を収めました。